こむずかしい解説はない不動産建設業界の小話

普通の話過ぎて、意外と口に出さない業界のあれこれ

その不動産、どこに頼む?(売りたい編)

 長く同じ業界にいると、その業界で当たり前のことを当たり前じゃない人達がいるってこと、スッカリ抜けてしまいますよね。

不動産建築業界で言うなら、売るにしても買うにしてもまず

「何故その会社(業者)を選んだの?」

 

 大きな会社だったから、ネット検索で上がってきた、知り合いがいたりまたはその紹介、そんな感じですかね。

例えば「冷蔵庫」を買うなら大きめの家電量販店に行ったり、ネット検索して値段調べたり。同じっちゃ同じなんですが、不動産に関しては、業界にいたらたぶん、そんな感じでは決めないですね。

 まず、私だったら「大きな会社」は一番初めに外すかな。

「売る」時だったら、 反響が大きい → 早めに客付けしてくれる → 好条件で売却が進む って想像しますよね、普通。でも、それあんまり関係ないかと思います。そりゃテレビCMやチラシ広告、物件単発のチラシも撒くから反響多いとは思います。でも、客付けに至るかは結局「物件そのもの」によるところが大きいのです。

不動産に関して言うなら「ある一定期間内に全不動産会社がつながっている情報源に載せないといけない」ルールがあるのです。所謂「レインズ」です。

売却のお手伝い(仲介)のパターン(専属とか一般とか、詳しくは割愛♡)に寄って違いがありますが、まぁほぼほぼこれに載れば、全国のノリノリ営業マンに目を付けられるわけです。どこの会社でも平等に。

売主さんからみたら「そりゃ頼もしい~」と思いますよね。でもね、売主さんの仲介会社としては「客付けもうちでしたいわ~」って思ってるわけですよ。つまり、売主と買主両方から仲介手数料を頂きたい。「好物件」なら尚更。

と言うことでルールを無視してコッソリ「囲い込む」ってことをやっちゃうわけです。レインズに載せるのを怠ることは公にはできないので、掲載させても他社からの問い合わせに「先約います」ってな感じで対応しちゃう。だから、結果反響が多いからと言って、たまたまその物件を欲しいと思ってるお客さんが、その反響の中に現れなければ、反響の大小はあまり関係ない。

買いたいと思ってる人は大きい会社だけにいるわけじゃないから。売手側にしたらなるだけ早く売りたいだけ。

大手の会社は反響が多い故にか、これが常態化してるような気がする・・・ここでは決めつけは避けときます、ハイ。確かに、大手は広告打つのがうまいちゃーうまいけど、さっきも書きましたが結局「物件力」なんですよね、不動産って。私が全く興味ない物件でも、絶対欲しいと思う人もいる。

じゃあ、売るにはどこに頼んだらいいか。私だったら信頼できる知り合いだけど、もしいなければ、いくつかの会社に話をしてみて、会社じゃなくて営業マンの人柄で決めます。正直、社風が社員に多大に影響しているのは承知してますが、それでも不動産は営業マン次第かなって思います。私の経験では、不動産の営業ってかなり転職率高いと思うのですが、売れっ子ってどこに行っても売れっ子なんですよ。

商品(物件)は正直どこに行っても同条件で売るチャンスはあるわけで、つまり本人のキャラクターが大事ってことです。

 

建築ラッシュ?

2023年晩秋。住んでる周りでも、ちょっと郊外の奥にある実家の周りでも、はたまた東京にちょっと近づいた人気のエリアでも、あちこちで建築中の物件を見かけます。

株価上昇とか言ってるけど、庶民レベルで見れば物価上昇でどっちかって言うと懐事情は大変な感じ。(←私だけ?w)

 2年半くらい前、「駐車場の振込先を変更してほしい」と言う申し出が管理会社から連絡がありました。今まで地主さんの個人口座に振り込んでいたのですが、亡くなられて口座凍結されてるので管理会社の口座へ変更して欲しいと。その地主さん、この近辺(埼玉の主要駅周辺)ではかなりの地主さん、だと思う。あちこちに同名字のマンション、アパート、駐車場があって、本家(らしき)建物の周りは家庭菜園に貸し出してる畑やら、休耕地があったりしていたわけです。駅徒歩圏でこの資産、デベロッパーが狙ってないわきゃないなと以前から思ってましたよ。

 で、管理会社の振込先変更の連絡です。「相続始まるな」と思ってた矢先、広めの休耕地は16棟の戸建分譲地、家庭菜園は解約され21戸の賃貸マンション、本家のお屋敷の建て替え、あっと言う間に近くで見かけるものだけでもこんな感じに変貌してしまいました。そりゃそうだよね。。。相続税大変だもの。幸い借りてる駐車場は現状のままでした。

 

 他にも、すぐ裏の通りの雨漏りやら隙間風やら大丈夫かなとびっくりするほどヤバイ平屋に住んでた一人暮らしのおじいさん。いつもエルメスのトートバックを下げて、毎日図書館へ歩いてく姿を見かけてたのですが、最近見かけないなと思ってたら、パパーっと解体されたかと思ったら大きなお屋敷が建って、見知らぬご夫婦がお引越しされてました。

 

 その隣は、犬の散歩をしていると「可愛いね~」と声をかけてくれたおばあちゃん、この方もいつの間にか見かけなくなったと思ったら、更地にされて2棟の分譲地になってたし、更にその3軒先の理容室をやってたおばあちゃん。こちらも犬の散歩で声をかけてくれる方だったんだけど、やっぱり最近見かけないと思ってたらお店が解体されて新築建てて販売されてました。

 

 このせいぜい1km四方の中で他にもまだまだ建築中の物件があるのです。以前から常にどこかで工事をしているようなところではあったのですが、この新築ラッシュは異常ですよ。

 数か月前、車の買い替えで車庫証明を貰いに管理会社にアポ取ろうと電話したら、中々繋がらない。社長一人で地場の賃貸物件や駐車場の管理しかほぼしていないところで、特に連絡が取りにくいわけではないのです。で、つながらなかった理由がお彼岸だったので墓参りに行ってたらしいのです。それも、管理している地主さん達が亡くなられて。その様子からすると、相当数だったようです。

 確かに、超過死亡が劇的に多いようなので、そういったことがこのような見える形で表れてるのかなとしんみり思うのです。